発音練習って何をするの?
構音訓練の系統的な進め方と単語の選び方を解説

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▶構音訓練の基本的な進め方
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▶音節の練習
▶単語の練習
▶短文の練習
▶会話への汎化

構音訓練の基本的な進め方

構音訓練ではまず『標準構音検査』などを用いて構音の誤り方や誤りの条件などを評価し、訓練の適応を評価します。
構音訓練で発音が難しい音の練習に取り組む場合、一般的には口腔器官の運動に併せてターゲット音の産生練習を単音(1音)から始めます。単音が発音できるようになれば他の音とつなげて音節(2〜3音)でも正しく発音出来ることを目指します。
音節でも正しく発音出来るようになれば、ターゲット音を含む単音→短文→文書と徐々に長くしていきます。
発音の練習と合わせて、必要に応じて聞く練習(音韻操作)を行うことも多くあります。

  • 管理人
    今回はターゲット音の産生練習の進め方について見ていきましょう!

単音の練習

『標準構音検査』で評価し訓練の適応が高い(改善が期待できる)と判断した音のから練習START

ターゲット音(練習する音)が置換(置き換わる)もしくは歪み、省略により言えていないという状況が前提となるため、まずは1音で産生できることを目指します。練習方法はそれぞれのターゲット音により異なります。

音節の練習

単音が言えるようになれば音節での練習へ
ターゲット音の前や後ろに他の音をつなげて発音する練習を行い、前後にどんな音が繋がっても安定してターゲット音が発音できることを目指します。
前後につなげる音に決まりはありませんがよりシンプルな母音を繋げると良いです。単音では舌の位置を丁寧に確認しながら発音することも多いため、舌の位置を確認しやすい【ターゲット音→母音】という2音から始めると良いでしょう。その後ターゲット音が安定して言えることを確認しながら【母音→ターゲット音】【母音→ターゲット音→母音】と進めます。

ターゲット音が「さ」の場合

①【ターゲット音→母音】
 あーさ
 いーさ
 うーさ
 えーさ
 おーさ

②【母音→ターゲット音】
 さーあ
 さーい
 さーう
 さーえ
 さーお

③【母音→ターゲット音→母音】
 あーさ-あ
 いーさ-い
 うーさ-う
 えーさ-え
 おーさ-お

単語の練習

音節でターゲット音が言えたらステップアップ!
単語はターゲット音を含むものを選択し ①語頭音 ②語尾音 ③語中音 で進めます。文字数は2~3文字の単語を選択し、ターゲット音と誤り音が連続するものは避けます。誤り音の構音点から遠い構音点の音が連続する単語を選びましょう。

ターゲット音が「さ」の誤り音が「た」の場合

より簡単
さい
さめ
さかな
さくら
さんぽ

ターゲット音の位置が難しい
かさ
くさ
うさぎ
あさがお
みさんが

連続する音が難しい
さとう
さんた
さなぎ
さつまいも
おとうさん

文字が読める場合は、文字の音読から始めることで視覚的な補助となります。徐々に文字を見なくても単語の中でターゲット音を探していうことが出来るように文字数のみ〇で示す→呼称と難易度を調整しましょう。

短文の練習

単語でターゲット音が言えたら、短文へ!
安定して言えている単語を含んだ短文を作ります。文節の頭文字がターゲット音になるものから始めましょう。
音読や復唱から始めてターゲット音を意識しやすくし、絵カードや情景画など文字の情報を少なくしていきます。

ターゲット音が「さ」の場合

あさに さくらが さいた
ささのは さらさら ゆれている
さばの さしみを おさらにのせる

会話への汎化

短文でも言えるようになれば最終ステップ
いつでもどこでも無意識で言えるように汎化練習を行います。決まった練習はありませんが①長い文でも正しく言える ②文字を見なくても正しく言える ③自然な速さで正しく言える ④ターゲット音がどこにあっても正しく言える 事を意識して課題を設定しましょう。

汎化練習のアイデア
絵本の音読
文字を見ない絵の呼称、絵の説明
歌唱
早口言葉

自宅での取り組みに困ったときは、地域の障がい福祉課や発達支援センターや小児科などに相談してみましょう。

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2025/9/18